アンゾフ戦略経営論 新訳 新装版:中古本・書籍:H.イゴール ...

年度末を過ぎ、経営計画を作成したり見直したりした、もしくは、しようとしている企業様は多いかと思います。
経営手法に関するノウハウを古くからあるものや、新たなに発生したものなど多様な情報があふれています。
私も日々情報を仕入れながら活用できるように精進しているつもりです。
そのような中でも、今後も絶対外せない経営戦略、特に全社戦略を考えるうえで必須となる手法に『アンゾフの成長マトリクス』が上がられます。
私自身も自身の事務所の事業計画を考える上でもそうですが、クライアント様の経営計画を策定する上で必ず活用しています。
その内容と活用していく上でのポイントを今回は解説します。

 

  •  ●アンゾフの成長マトリクスとは?
  •  ●実際に活用するタイミングと手法
  •  ●個人の成長戦略への活用について
  •  ●まとめ

 

アンゾフの成長マトリクスとは?

アンゾフの成長マトリクス テンプレート(やり方と具体例) | NotePM

「アンゾフの成長マトリクス」とは、「戦略は組織に従う」という言葉で有名な経営戦略の父・経営学者イゴール・アンゾフによって提唱されたフレームワークです。
このフレームワークでは、「製品」と「市場」について、「既存」と「新規」で4象限に分類し、事業拡大の戦略を探索していきます。
アンゾフの成長マトリクスを用いることで、4つの戦略オプションの潜在的なリスクを考慮しながら、企業や製品の成長戦略を描いていくことが可能になります。
マトリクスから考える4つの成長戦略は上の画像にもありますが、以下のようになります。

 

  1. 市場浸透戦略
    もっともリスクの低い、ビジネスを展開しやすい戦略が、既存の市場(顧客)に既存の製品を販売する「市場浸透戦略」です。
    顧客ひとり当たりの購買数や購入金額を増やしたり、購入頻度・リピート率を高めたりする施策を考えましょう。
    例えば、セット割引やリピート割引といった価格設定での工夫や、アフターフォローの実施といったサービス上の工夫があります。
  2. 新製品(商品・サービス)開発戦略
    2番目の「新商品開発戦略」は、既存の市場(顧客)向けに、新しい商品を開発する戦略です。
    商品開発に対して、研究施設・製造設備・従業員など、新たに投資を進めていくことになるため、リスクは市場浸透戦略よりも高くなります。
    関連商品や付属商品、バージョンアップ商品、機能追加商品の販売などがあります。
  3. 新市場開拓戦略
    3番目の「新市場開拓戦略」は、既存の製品を新しい市場(顧客)に販売していく戦略です。
    新しいエリアやターゲットなど、これまでアプローチしてこなかった市場(顧客)の開拓を行います。
    ただ、事業の拡大が見込める適切な市場を特定するためには、さらに専門的な調査・分析が必要になるため、市場浸透戦略よりもリスクが高いと考えられています。
    地域から全国、日本から海外といったエリア戦略や、女性向け製品を男性向けに、子ども向け商品を大人向けにといったターゲット変更戦略が挙げられます。
  4. 多角化戦略
    最終戦略は「多角化」であり、新しい市場向けの新製品を開発し、販売していきます。
    これは、これまでになじみのない市場・製品分野への進出となるため、4つの戦略オプションの中で最もリスクの高い戦略とみなされています。
    ただし、自社の既存事業の衰退に備えるためのリスク分散ができる戦略でもあります。

 

一般的には1の市場浸透戦略が一番易しく、4の多角化戦略が最も難しいと言われています。
アンゾフのマトリクスを有効に活用するためには、それぞれの戦略のメリットとリスクを把握できていることと、費用対効果をある程度つかめていることが重要です。
それぞれを比較しながら、自身のビジネスアイデアにより適した戦略をとっていくことが肝要です。

 

実際に活用するタイミングと手法

顧客分析を徹底して売上UP!?分析のコツとツールの活用法について紹介 ...

この『アンゾフの成長マトリクス』を活用する場面とタイミングは、経営計画を策定する初期の段階が最も有効だと私は考えます。
経営計画を策定する基本ステップは、『全社戦略⇒事業部戦略(部門戦略)⇒実行項目の決定⇒推進スケジュールの決定』というのが一般的な考え方です。
ざっくり説明すると経営幹部で全社的なビジョン・目標・方針を全社戦略で決定し、その後に、各部門責任者が中心となって各部門で全社戦略を実行するための部門戦略や具体的な取り組みを決定する流れです。
『アンゾフの成長マトリクス』は全社戦略を決定するときに活用することが多いように感じます。
具体的には、SWOT分析等で社内と社外の情報収集を行いながら、特に自社の商品・サービスの分析と市場環境を分析していきます。
その中で、自社の商品・サービスをどのターゲット層に提供していくのかを決定します。
経営計画では利益確保は外せない要因なので、細かい戦略を決定する前に、必ず全社戦略を明確にすることは必要になるからです。
経営戦略を勉強した方なら知らない方は少ないでしょうが、意外に活用するタイミングが違っていることが見受けられます。

 

個人の成長戦略への活用について

アンゾフの成長マトリクス」から「個の成長戦略」を考えてみる。|西村 ...

『アンゾフの成長マトリクス』は、企業戦略だけでなく、個人の成長戦略を考える上でも活用できます(私もある方から教えてもらったのですが・・)。
上図で、個人の能力活用の成長戦略版に変換したマトリクスを紹介していますので、確認してみてください。
また、この図は私のような士業を中心とした個人事業主の経営計画策定にも活用できます。現に私も活用しています。
以下に、各項目を簡単に紹介します。

 

  1. 本業専念
    自分が今保有している能力・スキルを同じ業務カテゴリー内で活用していく考え方です。
    例えば、施工管理ノウハウを今後も工事現場内で活かしていくということなどです。
  2. 能力開発
    新たな能力を習得し、同じ業務カテゴリー内で活かしながら自身の付加価値を向上させる考え方です。
    例えば、施工管理ノウハウに営業スキルを新たに身に着け、現場営業による提案力で受注貢献するといったことなのです。
  3. 社外展開
    今自分が保有している能力・スキルを社外や他部門で活用していく考え方です。
    例えば、自身が保有している施工管理ノウハウを活かして、更に大きなゼネコン会社へ転職しステップアップするといったことなどです。
  4. 多角化
    新たな能力・スキルを身に着け、まったく違った業界に進出するという考え方です。
    個人のスキルアップでは最終手段のような気もしますが、新たな知識を習得して、まったく異分野の業種に転職するなどが考えられます。

 

 

まとめ

今回は、『アンゾフの成長マトリクス』を紹介しましたが、おそらく、経営戦略を考える上で普遍的な理論・ノウハウだと思います。
知っている方も多いかもしれませんが、改めて内容を理解した上で、今後の経営計画や経営戦略、または自身の能力開発に活用してもらえればと考えます。

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