事業承継を考える上で、経営者の個人情報の把握が必要となります。なぜなら、後継者へ引き継ぐべきプラスとマイナスの両側面の財産の状況によって、取り組み方や対策が変わってくるからです。今回は、事業承継で必要な経営者個人の情報について解説します。

●把握すべき内容 　●経営者の個人情報の確認 　●所有関係の確認 　●契約書等の書類の収集 　●借入金の返済計画の確認 　●経営者所有の株価評価 　●その他

把握すべき内容

事業承継では、後継者へ現経営者の資産・負債を引き継いでもらうことが発生します。その時の、現経営者の資産・負債の状況によって事業承継への対応も違ったものとなります。早い段階で、経営者の個人情報を把握する必要性が発生するのはそのためです。それでは、把握すべき経営者の個人情報の主な内容は、●経営者自身の個人情報の確認　●所有関係の確認　●契約書等の書類の収集　●借入金の返済計画の確認　●経営者所有の株価評価の確認　が考えられます。もちらん他にも必要な内容はありますが、今回はこのあたりの内容を検証します。

 

経営者の個人情報の確認

まず最初は経営者自身の個人情報です。具体的には①経営者の年齢、②経営者の子供の有無とそれぞれの年齢、③経営者の保有財産、保有財産の相続税評価額があげられます。経営者の年齢は主に事業承継を実施する時期の参考になります。経営者の子供の有無等は、親族内に後継者候補がいるかという点と、事業承継以外でも相続・贈与が発生する可能性の検討の参考になります。経営者の保有財産等は、各種税金等の事業承継の必要コストの算出に活用されます。

 

所有関係の確認

次に、経営者の資産の所有関係に関することです。特に、名義が経営者個人だが、実際には会社で活用されている土地・建物等があるかは要確認です。場合によっては、経営者名義から会社もしくは後継者名義への変更が必要になります。その時、贈与が発生することとなり、思った以上に贈与税が高くつく場合もあります。いずれにしても、対策は早いにこしたことはありません。

 

契約書等の書類の収集

経営者の資産だけでなく、負債に関しても、ある程度は契約に基づいて処理されているはずです。その時に、契約書の内容はよく確認しておくべきです。経営者自身も契約内容や特約事項を忘れてしまっている場合もあります。契約内容によっては、事業承継時の資産(負債)の処理で大きな手間が発生する場合があります。

 

借入金の返済計画の確認

会社を経営していく上で、資金繰りがうまくいかない時期があったこともありえます。金融機関から融資をしてもらており、返済債務が残っている場合は、後継者と一緒に金融機関へ訪問して、今後の対応等を協議しておくべきです。また、経営者自身が会社へ資金を投入し、会社が返済すべき借入金がある場合は、返済をどうしていくかを検討しておく必要があります。場合によっては『デッド・エクイティ・スワップ』という、経営者へ返済すべき負債を資本金に振り返るやり方もあります。ただし、金額が過大だと、余計な税金コストになる場合もあります。いずれにしても、計画的に事業承継へ向けた具体策を講じる必要があります。

 

経営者所有の株価評価

最後は、経営者所有の自社株式の評価額を把握しておくべきです。事業承継では株式の承継は莫大な事業承継コストの要因になります。そのためには、現段階の評価額を把握し、ここでも計画的な対策を講じておくべきです。

 

 

その他

今回のブログの内容をYouTube動画でも解説しています。

6-2．経営者の個人情報を把握する (youtube.com)

後継者が経営者になったときに次世代組織の構築方法に関してWEBセミナーを行います。
参加希望者は下記から予約してください。
【予約ページ】事業承継に向けた後継者主導の次世代組織の構築方法　公開WEBセミナー

 

 

事業承継支援・人事評価制度支援の解説動画も是非ご覧ください。

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事業承継計画の作成方法 – YouTube
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