先日、日本電産の決算発表と同時に、関潤氏への社長(CEO)も併せて発表しました。
創業者の永守氏は、私も尊敬する経営者の一人ですが、日本電産を一代でここまで成長させてきたカリスマ経営者だと思いますが、こういった経営者の事業承継は意外にうまくいってないように感じます。
他の方だと、ファーストリテイリングの柳井会長も後継者への事業承継はうまくいってないように思います。
歴史を紐解いていくと、織田信長や豊臣秀吉といった、どちらかというとカリスマタイプの将軍も最終的には後継者への事業承継がうまくいってないようですが、徳川家康は比較的にうまくいって長期政権を維持していたように思います。
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事業承継の失敗事例と成功事例
有名企業の中でも、事業承継がうまくいった企業とそうでない企業があります。
成功した企業で事例をあげると『ジャパネットタカタ』が最近ではあげられますかね。
失敗したというかうまくいかなかった事例としては、最近では『大塚家具』がメディアをにぎわしていましたかね。
ジャパネットタカタも、テレビで特徴的な商品販売を行うカリスマ経営者からご子息へ事業承継をうまく実行した事例ですね。
東大出身のご子息で優秀な方だともいますが、当時経営者のカリスマ性が強く、社長交代と同時に会社はうまくいかなくなるという噂も流れていました様ですね。
ところが、事業承継後の業績も順調で、当時の高田明氏のイメージ脱却もうまくいったように評価されている記事もありました。
ある記事にあった内容ですが、ジャパネットタカタは高田明氏のワンマン経営から、後継者中心のチーム経営への移行が成功したことが大きな成功要因と書いていました。
つまり、各社員が自分たちで考えて課題を解決できる組織体制を構築できたことが良かったようです。
一方、大塚家具は創業者の父親と、後継者の長女の経営に対する考え方の折り合いがつかず、ドロドロの経営権委任上争奪戦というドラマにもなりそうな展開から、長女が経営権を獲得しました。
ただ、最終的には業績回復できず最終的にはヤマダ電機グループに買収され当初の思惑通りに解決しなかったように思われます。
とにかく、経営に対する考え方の不一致と同族企業(ファミリー企業)での話し合いがスムーズにいかなたことが主因だと考えられますね。
経営承継と所有(資産)承継
事業承継は経営承継と所有(資産)承継そして後継者教育に分けることができます。
一般的によく言われていることは所有(資産)承継が多いように思います。
所有(資産)承継は具体的には、株式の譲渡や移転に伴う、相続対策が多く、主に税理士や司法書士のサポートが関わることが多い領域です。
一方、経営承継は経営方針の引継ぎや、次世代の組織体制整備や経営戦略の確立に関する領域となります。
後継者教育は経営承継と並行して行われることが多く、私の認識としては同じ領域として考えています。
事業承継が失敗する企業では、経営承継がうまくいかずに失敗することが多く、『大塚家具』も経営承継がうまくいかなったばかりに、あのような結果になったと考えられます。
また、事業承継に関する経営承継は専門的にサポートしている方も少ないことも課題にあげられています。
ファミリービジネスでの事業承継
上の写真は、ジャパネットタカタの高田明氏(左端・先代経営者)と高田旭人氏(右端・後継者)と、長崎プロサッカーチームの子会社化の会見での場面です。
中小企業の多くは同族のファミリービジネスを展開しているところが多く、事業承継もどちらかというと親から子への承継が多い思います。
ところが、ファミリービジネスにおける親子間の事業承継は大変困難な場合が多いようです。
特に、大規模企業の場合はさらに難易度を高くする傾向にあるようです。
先ほどの大塚家具や大戸屋はまざに大規模企業のファミリービジネスでの事業承継です。
ファミリービジネスにおける事業承継では、所有承継と経営承継を行いながら、家族間の調整をうまく行うことが重要です。
経営に参加してない方も含めて相続人になる方は早い段階での調整が必要となります。
その時に、事業承継を決断した段階で、関係者を全員読んで家族会議を行うことを私は勧めています。
承継時期や経営ビジョンの共有、そして財産相続等をどうするかをしっかり話し合っておくことが重要で、早ければ早いほど良いと思います。
まとめ
昨今は日本の廃業件数の増加や産業力維持のため、政府も力を入れ始めているようです。
ただ、実際の事業承継は様々な困難が発生することが多く、我々のような第三者にサポートをお願いすること手段の一つだと思います。
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