今回は、賃金制度見直しに伴って評価制度を導入した場合に活用できる助成金を紹介します。それは、『人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)』です。私がクライアント様への提案をしてきた体験談を通してメリット・デメリットを感じるままに掲載いたします。
厚労省の概要ページはこちら→https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000199313.html
どんな助成金?
詳細は上記の厚労省のリンクから確認できるかと思いますが、簡単に説明しますと、人事評価制度を新たに導入したり見直したりしたうえで、就業規則にも明記し会社のルールとして明確に設定したうえで、導入から1年後に新たな評価制度を運用することで評価対象者全体で2%以上の昇給を達成した場合に、制度の整備助成として50万円を支給し、さらに3年後に『生産性向上』『さらに引き続き昇給率2%の実施』『離職率の低下』に関する目標を達成すれば更に目標達成助成として80万円を支給されるという内容です。
助成金を活用するメリットは?
活用する企業様にとってのメリットは、①社員の賃金に対する納得度の向上を確立できること、②昇給をある程度は約束するルールになるので社員のモチベーション向上につなげられること、③私のような賃金見直しの人事コンサルの費用の補填につなげれること、④目標助成の達成に向けた取り組みを組織的に行うことで、改善活動の推進を図ることができること、などがあげられれます。
一方でメリットは?
私も評価制度設計や賃金制度見直しをメイン事業として取り組んでいる関係で、様々な業種のクライアント様にこの助成金を提案・説明してきました。ただ、ほとんどのクライアント様は活用していません。そのことも含めてデメリットを説明すると、①減給が発生する可能性のある賃金テーブルには助成金は支給許可されない、②提出書類のチェックが比較的厳しい(地域による差は多少あるように感じますが)、③助成金申請に手間の割には、支給される助成金が少ない(提案してきたクライアント様の意見ですが)、④目標助成まで考えた場合、計画申請から支給されるまでの時間が空きすぎる といったことがあげられると同時に、多くのクライアント様から頂戴する意見です。特に①の減給発生をルール化できないことはかなりのネックとなるようです。ほとんど計画を断念される方の多くがここが理由です。
減給がルール化できないってどういうこと?
どんなに評価が低い社員でも減給できず、最低限昇給0円までしか設定できないので、信賞必罰の賃金ルールを設定できないということです。ここあたりは、特に経営者の立場からすると納得できないという意見が多いように感じます。会社の人事方針によるので何が正解かということは難しい面がありますが、ここはハードルが高いようです。
どんな企業が活用できるのか?
ずばり、会社としてはどんな状況が起ころうとも減給は絶対しないという覚悟があれば、社員のモチベーション向上につながるので、メリットはあるかと思います。人事評価制度導入に関する助成金はかなり以前からあったのですが、働き方改革がさけばれるころから減給に関しては厳しく問われるようになったように感じます。私個人としては、もう少し柔軟に対応してもらえると是非活用を進めたいと考える助成金なのですが・・・。なお、毎年4月あたりで厚労省の助成金は予算の関係で見直しがされるので、私もですが、皆さんもよくチェックしておいてくださいね。
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