令和3年度の助成金は以前も解説しましたが、適用条件のハードルが全体的に上がっており、気軽に活用できる内容が減っています。
今回も、適用ハードルは低くありませんが、今まで新卒メインで採用を進めてきた会社が主に活用できる『中途採用等支援助成金・中途採用拡大コース』を紹介します。
人事コンサルをしていく中でも、教育の次に関心が高いのは採用です。
特に優秀な人材や優秀な人材に育つ見込みのある人材と並行して、人材不足や労働力の補填として、経験値のある中途採用は、ほとんどの会社で活用してきたかと思います。
ですので、人材活用に関心の高い企業は今後も含めて是非頭に入れておくべき助成金だと言えます。

 

●支給適用の条件・概要 　●受給への手続き・流れ 　●支給額 　●その他

中途採用等支援助成金は、中途採用者の雇用管理制度を整備したうえで、中途採用者(雇用保険適用者でフルタイムの方)の拡大に取り組む事業者を助成する制度です。
コースが、『中途採用率の拡大』、『45歳以上の方の初採用』、『情報公表+中途採用者数の拡大』があります。

①中途採用率の拡大
過去3年間の採用人数の割合で中途採用が60%未満の会社が、中途採用を直近3年間比較で20%増加かつ2人採用・定着させる場合が主な要件です。

②45歳以上の方の初採用
今まで45歳以上の無期雇用者を一人も雇ったことがない会社が、初めて45歳以上の無期雇用者を採用した場合が主な要件です。

③情報公表+中途採用者数の拡大
今までの中途採用の取り組みの定量・訂正情報をHP等で社外に公開し、計画期間に10人以上の中途採用者を採用することが主な要件です。
令和3年度から新たに追加された要件です。

 

中途採用等支援助成金（中途採用拡大コース）｜厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

まずは、3つのコースから適用コースを選択し、各コースに必要な中途採用計画を提出・申請します。
計画期間が3つで差異があり、中途採用率の拡大コースは1年以上の計画となります。
それから、各コースの計画に沿って、取り組みを行い中途採用者の人数・定着および情報公開等を実践します。
各計画期間が終了した2ケ月以内に助成金支給申請を行い、問題なければ助成金を受給できます。
また、他の助成金にもありますが、生産性向上助成の適用条件である『一人当たりの付加価値額(概ね粗利)』が計画期間比較で6%向上していると、追加で助成金が支給されます。

 

支給額は、各コースの取り組み状況によって異なりますが、30万円から100万円まで合計で支給されることになります。
ただし、計画期間申請から1回目の助成金支給まで最低でも半年後、最大だと2年後までかかると考えられます。

その他

今回の助成金は、人材不足で労働現場がひっ迫しているような業種、おそらく運送業・倉庫業などが考えられます。
いずれにしても、若手人材の労働生産人口は今後減る可能性が高く、ある程度中高齢者中心の雇用管理が進めることが必須のなります。
将来も見据えて早めに人事戦略を実行する方針がある場合は、検討の余地があるかと思います。

 

賃金制度の設計ノウハウを紹介した動画公開を始めました。

2-13.昇格降格制度の考え方 – YouTube
2-12.ポイント制退職金制度の設計方法② – YouTube
2-11.ポイント制退職金制度の作成方法① – YouTube
2-10.賞与支給基準の作成方法③ – YouTube
2-9.賞与支給基準の作成方法② – YouTube
2-8.賞与支給基準の作成方法① – YouTube
2-7.役職手当の見直し – YouTube
2-6.賃金テーブルの作成方法⑤ – YouTube
2-5.賃金テーブルの作成方法④ – YouTube
2-4.賃金テーブルの作成方法③ – YouTube
2-3.賃金テーブルの作成方法② – YouTube
2-2.賃金テーブルの作成方法① – YouTube
2-1.賃金制度の概要 – YouTube